1975 水彩画-1
「おなかのかたつむり」
19750210
17X16.5cm
水彩
「たまご」
19750227
27.2X19.8cm
水彩
2月のある夜、自室のコタツで銅版画の試刷りに水彩で色をつけてみた。色を付けたというより、版画を下絵にしてその上に下絵以上のものを描いた。水彩は面白いなと思った。制約のある版画と違い、自由にイメージをそのまま描けるという当たり前なことに気がついたのだ。「たまご」は版画から離れて水彩画として描いたはじめの作品。今見ると未熟な作品ではあるが、その時はなにか大きな手応えと満足感を得て少し興奮したことを覚えている。その頃、自分は将来版画をやれなくなるかもしれないという気持ちになっていたので、場所や時間にそれほど制約されない水彩という表現方法に一つの希望を見い出したのだと思う。これが自分にとっての水彩の事始め。