1975 木版画

 
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1975
38X38cm
油性木版画
 

75年になって、この作品で木版は一旦終了する。4年になり、卒業制作の銅版画を作るためである。木版が復活するのは90年代に入ってからになる。
これまで作って来た多色刷り木版は「彫り進み法」というやり方である。一般的に多色刷りの場合は色数分の版木を用意するが、この方法だと一枚の版木を彫っては刷り、同じ版木をさらに彫っては刷り重ねてゆくやり方である。どんどん彫って刷ってゆくので最後には版木に彫るところがなくなり、版木が残らないので、初めに刷る紙の枚数分しか完成品ができない。後で刷り増しができないのだ。版をたくさん彫ることや枚数を刷るのは今でも苦手なものだから当時はもっと嫌で、この方法で少ない版木で少ない枚数を仕上げていた。このやり方は戸村さんから教わったような気がするが、見当が合い易く、未経験者が短期間で多数の作品を仕上げるのには適した方法だった思う。